人貸し屋 外伝

★零 壱

★レイside



「今回の、客は面白い方ですね」



腕の中にいる夜に話しかける

夜は小さく身震いをした



私の腕からすり抜け

一回転すると人間になった夜と

目が合う



「・・・何か、隠してないか?」



「・・・何のことでしょう?」



さすが、夜

変化を伺えるようになるとは・・・

どんどん《人間らしく》なってきた



「・・・零、何かあるなら

 俺に教えてくれないか・・・?」



「・・・何もないと言っています

 夜は私が信じられませんか?」



そういうと夜は

少し顔を曇らせながら

ため息をついた



「・・・何かあればすぐに言え」



「・・・何かあれば、ですね

 わかっています」



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