人貸し屋 外伝



私は瓶を持ったまま

人貸し屋まで走った―。






「すみません!」



夜中とも考えず

人貸し屋の扉を強く叩く



明かりのついてない人貸し屋



それが急に怪しい

光を灯しだした



「・・・来ると思いましたよ」



扉があき、

人貸し屋の零がそう言う



「かあ、さんを・・・

 もう一度、貸してください」



息が続かない中で

零にそう訴える



すると零は目を細めて微笑みながら

小さく首を横に振った



「・・・それは、叶えられません」



「何で!?わたしはまだ、

 母さんとちゃんと話してない!」



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