若き店主と囚われの薔薇
エピローグ
親愛なる友人 エルガ・ラルドスへ
元気にしてる?七年ぶりかしら。
あなたが今も、奴隷屋を営みながら宝石商をしていると聞いて、安心したわ。
相変わらずのようね、エルガ。
私は五年前から、無事に届け屋として働けることになったわ。
今は、東のサザーノという依頼所にいるの。
そこのオーナーがとっても嫌な奴なのだけど、仕事だけはできる人だから、逆らえないのよね。
ああそうそう、つい一ヶ月ほど前に、びっくりすることがあったの。
なんとテンが、『僕も届け屋になったんだ』とか言って、依頼所へ来たのよ。
『ロジンカちゃんを追いかけてきた』なんていうものだから、もう大変。
前は、ここより西にあるケダンの依頼所で働いていたらしいのだけど。
私がここにいると聞いて、移って来たんですって。