赤い狼*小ネタ集*





「男もんが欲しいのか?」と言いながら相変わらず私の両腕をにぎにぎと掴んでいる連に困った笑いが零れる。



この際、連の誕生日プレゼントを買いに来ていると言ってしまおうか。と思ったが、やはり止めた。


どうせ渡すならサプライズで渡したいし。今明かしたらサプライズプレゼントされた連の驚く顔を見る私の楽しみも減っちゃうし。



あれよあれよと理由をつねて自分を納得させる。そして連に逢ったから今日はもうプレゼント探しは止めだ、とお店から出ようとした時だった。




「あ。この指輪カッケー!!」




連が真っ黒の中央にゴールドに光るスワロフスキーが一つだけ埋め込まれた指輪を手に取って目を輝かせた。



それを見て、私は決めた。

その指輪を買うと。



だけれど連がそこに居ては買えない。でも今、買わないと誰かに先を越されてしまうかもだし…。

仕方ない。





「連、それ貸して。」




強行突破でいくしかない。





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