赤い狼*小ネタ集*





「あ、それプレゼント用に包んでもらえますか?」



「プレゼント用ですね。分かりました。少々お待ちください。」



「え、プレゼント用?」




煩いな。




咄嗟にツッコミを入れてきた連に舌を打つ。


でも連はそんなことを気にしてないようで



「俺の誕生日プレゼント?」




とても嬉しそうに笑った。



連の顔をチラリと横目で見る。
だけどその顔には私が見たかった驚きの表情ではなく、嬉しいという表情しか浮き上がっていなくて。




(この反応は予想してなかった。)



私が驚いた。


ビックリしてくれることを期待してたのに全然そんなことはなくて、喜ばれるとは…。


しかも



「俺の誕生日覚えててくれたのか?なぁ、そうなのか?」



物凄く嬉しそうだ。



もうこうなったら開き直るしかない。それに、プレゼントはもうバレてしまったんだし今、渡した方が中身を知られているプレゼントを後から渡す恥ずかしさもない。

よし。



「なぁ、俺の誕生日プレゼントなんだろ?」




未だにしつこく聞いてきている連に振り向く。すると連は「お?」小さく声を漏らして口を閉ざした。





「悪い?連に似合うプレゼントが決まらなくて二時間もここに居たけど、悪い?」




腕組みをして仁王立ちで答える。



と。



「なんてそんな可愛いんだよ。」





ふわり。


甘い香りに包まれた。




「え、ちょっ、連!?」




きつく抱き締められた感覚に悲鳴じみた声をあげる。


だけど連は離れようとしない。



ここをどこだと思ってんのよ!場所をわきまえなさいよ!!


わたわたと連の肩を強く押して見るけど無意味。大きな身長はびくともしない。

しょうがない。こうなったら…




「連ごめん!!」



「は?なに…うっ!!」



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