鉛のようだった口から洪水のように言葉がでた。

「愛してる。」

「えっ…。」

「僕はダメな男だから、夢と君、両方取れない。けど!夢を叶えたら、必ず春野を迎えに行くから!待っててほしい。結婚しよう!」
彼女はまたあの瞳から涙を流していた。

「ばかっ!もっとはやくいいなさいよ!あんたみたいなダメな男には私みたいな子じゃないとダメなのよ!しょうがないから、待っててあげるわよ!けど、はやくしないとあんたよりいい男、見つけて結婚しちゃうからね!」
春野の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。


「ありがとう」



やっとこの一言を言えた。
その瞬間、扉が閉まった。
彼女が何か叫んでいる。

なんと言ってるのかはわからなかったけど、僕は幸せだった。


電車は夢に向かって走り出した。



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