今なら…
「地元、久しぶりだろ?楽しんでこいよ」

「ん。“楽しんで”くるね」


私は彼に、笑顔を見せながら。
淡い期待を、抱いていた。



―もしかしたら……



もちろん、彼には言えない。
もうすぐ、彼との結婚も控えてる。


「気をつけてな」

「うん」


そんなある期待を抱いて。
私は久々の、母校へと向かった。


< 2 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop