今なら…

10年前。
何度、私はこの場所に来ただろう。

いい思い出がある、と言える場所ではないけど…。

まさか、10年経って。
またここに来るなんて、思ってもみなかった。

そう思うと。


―ドクン…


胸が音をたてる。

でも。
私はもう、10年前とは違う。
そう。
もう“未成年(ｺﾄﾞﾓ)”じゃない。

それに。
きっとこれが、最後のチャンス…――。