赤いカスミソウ
もう駄目だ、そう思った瞬間頭が真っ白になった。



「っ……」



友達の関係を壊してしまった……



私は馬鹿だ……



友達で良かったはずなのに…



―ズキッ…―



違う、そんなの。



「っ…ウソだ……っ…」



それはただ自分を守るための言い訳。



本当は女の子として見てもらいたかった…



「っ…ふじ…さき…!!」




でももう無理…



戻れないんだっ…!



「っ!!!わぁあぁぁあぁぁあ!!!!」




誰もいない家の中で私は独り子供のように泣き叫んだ。




藤咲。



藤咲。



ごめんなさい。



優しい君が困るとわかっていたのに私は言ってしまいました。



ごめんなさい。



でも安心してください。



この想いは君にとって余計なモノです。



だからこの想いに私は蓋をします。



蓋をしなきゃいけないんです…



だからその為にも…



今は泣かせてください……


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