赤いカスミソウ
――――――――
「んっ……」
携帯のアラームが耳元で鳴る。
ゆっくりと目を開けば、最近見慣れ始めた部屋の天井。
高校三年生になって、急に親の転勤が決まった私は後一年ということもあってこの春から一人暮らしを始めていた。
「……夢…」
鳴り響く音楽を止めて私は今まで見ていた懐かしい夢を思い出した。
中学三年の夏の放課後の夢……
蓋を閉めたはずの想いが込み上げて来る…
「…っ……なんで…今さら…」
私はベット上で膝を抱え、零れそうになる涙を必死に抑えた。
あの日から三年…
藤咲とはあの日から一度も話していない。何度も話しかけられたけど色々と理由をつけて避けた。
そして高校も私は女子高に進学したから、藤咲との接点は一つ残らず消えてしまった。
中学生の恋なんて只のお遊びなのかもしれない。
周りの友達には新しい恋に行けと何度も言われた。
でも私は今だに動けずにいる…
まるであの小説の主人公のように。
(赤いカスミソウ)
(花言葉は)
(切なる願い)
―君に会いたい…それが私の願いです―
「んっ……」
携帯のアラームが耳元で鳴る。
ゆっくりと目を開けば、最近見慣れ始めた部屋の天井。
高校三年生になって、急に親の転勤が決まった私は後一年ということもあってこの春から一人暮らしを始めていた。
「……夢…」
鳴り響く音楽を止めて私は今まで見ていた懐かしい夢を思い出した。
中学三年の夏の放課後の夢……
蓋を閉めたはずの想いが込み上げて来る…
「…っ……なんで…今さら…」
私はベット上で膝を抱え、零れそうになる涙を必死に抑えた。
あの日から三年…
藤咲とはあの日から一度も話していない。何度も話しかけられたけど色々と理由をつけて避けた。
そして高校も私は女子高に進学したから、藤咲との接点は一つ残らず消えてしまった。
中学生の恋なんて只のお遊びなのかもしれない。
周りの友達には新しい恋に行けと何度も言われた。
でも私は今だに動けずにいる…
まるであの小説の主人公のように。
(赤いカスミソウ)
(花言葉は)
(切なる願い)
―君に会いたい…それが私の願いです―