赤いカスミソウ
そう言われたと同時にまたギュッと強く抱き締められた。



涙と同じ…。



好きって気持ちが溢れて止まらないよ。



「…っ…気付かなくて…馬鹿でごめん……」



私は藤咲の腕の中で首をブンブンと横に振るしかできない。



声が出ない。



夢じゃないよね?



この温もりは嘘じゃないよね?



「っ…そ…ら…」


「っ…何?」


「…好き…っ…」



まるで子供のように泣きじゃくって伝える気持ち。



「好きっ…」




「愛してる…っ…」




愛してる、なんてたかが18歳の子供が使うのはおかしいのかもしれない。


でも私は好きなんて言葉じゃ足りない。



これだけじゃ足りない。



きっと世界中の言葉を全部並べても君への想いは伝え切れない。




(それくらい君が愛しい)


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