赤いカスミソウ
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私は時間も忘れて本の世界に入り込んだ。



初めて読む本だったけど、それはとても悲しい、切ない恋のお話だった。



『赤いカスミソウ』



主人公はある男の子が好きだったけど、男の子には別に好きな人がいて主人公は想いを告げれぬまま、友達として卒業してしまうというお話。


読み進める内に主人公と自分を重ねてしまい、主人公の気持ちが手にとるようにわかってしまう私にはまるで自分のことのように何度も涙した。




―今も好き…―




卒業後、偶然再会した男の子に主人公が伝えた言葉。



「……『赤いカスミソウ』…か……」




(花言葉は)




―ガラッ!!―



後少しで結末という時に突然開いた教室のドア。


驚いて顔を上げると少し焦ったような顔をした藤咲がいた。



「……雨苗。」


「…っ……え?なんで…いるの…?」


「??なんでって、忘れ物したから……つかお前…泣いて「泣いてないよー!目にゴミが入っただけだよーだ。」


「…うっわ、心配して損した。」



藤咲が教室に入って来た途端に教室の温度が上がった気がする…



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