赤いカスミソウ
藤咲は私が今いる窓側の一番後ろの席と反対の廊下側の一番後ろの席に行き机の中をあさっていた。
対する私は赤くなった頬を隠すのに精一杯だった。
(好きな人が自分を心配してくれて喜ばない女の子はいるのかな?)
そんな自分らしくないことを考えながら、ユニフォーム姿の藤咲をこんなにも近くで見たことがない私はいつもとは違った雰囲気にクラクラした。
「あった!!」
暫くして藤咲が手にしたのはクシャクシャになった一枚のプリント。
どこをどうしたらそこまでクシャクシャになるんだろ……?
「何のプリント…って明日提出の数字のプリントじゃん。」
「そ。忘れててさー!!」
「馬鹿だねー。」
「この野郎……」
この関係を崩したくない私は憎まれ口を叩いて藤咲とのやり取りを楽しむ。
小学生の男子か、私は。
「…そういやーさ……」
そんな中、藤咲がじっとこちらを見た。
「…何?」
一瞬、顔が赤いことがバレてしまったのかと思った。
でもそんな考えはすぐに消え去った。
見えたのは藤咲の少し照れた顔。
対する私は赤くなった頬を隠すのに精一杯だった。
(好きな人が自分を心配してくれて喜ばない女の子はいるのかな?)
そんな自分らしくないことを考えながら、ユニフォーム姿の藤咲をこんなにも近くで見たことがない私はいつもとは違った雰囲気にクラクラした。
「あった!!」
暫くして藤咲が手にしたのはクシャクシャになった一枚のプリント。
どこをどうしたらそこまでクシャクシャになるんだろ……?
「何のプリント…って明日提出の数字のプリントじゃん。」
「そ。忘れててさー!!」
「馬鹿だねー。」
「この野郎……」
この関係を崩したくない私は憎まれ口を叩いて藤咲とのやり取りを楽しむ。
小学生の男子か、私は。
「…そういやーさ……」
そんな中、藤咲がじっとこちらを見た。
「…何?」
一瞬、顔が赤いことがバレてしまったのかと思った。
でもそんな考えはすぐに消え去った。
見えたのは藤咲の少し照れた顔。