赤いカスミソウ
思い出すのは二か月前の五月。
昼休みにたまたま一人でいた私に藤咲が言ったんだ。
『なぁ、雨苗。ちょっと話聞いてくんねー?』
藤咲とは前から仲は良かった方だし、この時はまだ気になっている程度だったから、私は二つ返事でいいよと言ってしまったんだ……
『ありがとなっ!!』
その後の笑顔に落ちてしまうなんて知らずに……
そんな事を思い出しながら私は最後の力を振り絞って藤咲に笑顔を向けた。
「どういたしまして!!…じゃ私帰るから!!」
「おぅ!!また明日!!」
私は早くここから去りたくて、机の横にかけた鞄を持ち藤咲の横を通り教室を後にしようとした。
でもできなかった……
「お前も早く好きな奴作れよ!!!」
―ピタッ……―
藤咲の言葉が私をドアの前で停止させた。
昼休みにたまたま一人でいた私に藤咲が言ったんだ。
『なぁ、雨苗。ちょっと話聞いてくんねー?』
藤咲とは前から仲は良かった方だし、この時はまだ気になっている程度だったから、私は二つ返事でいいよと言ってしまったんだ……
『ありがとなっ!!』
その後の笑顔に落ちてしまうなんて知らずに……
そんな事を思い出しながら私は最後の力を振り絞って藤咲に笑顔を向けた。
「どういたしまして!!…じゃ私帰るから!!」
「おぅ!!また明日!!」
私は早くここから去りたくて、机の横にかけた鞄を持ち藤咲の横を通り教室を後にしようとした。
でもできなかった……
「お前も早く好きな奴作れよ!!!」
―ピタッ……―
藤咲の言葉が私をドアの前で停止させた。