赤いカスミソウ
慌てて私は言葉を付け足した。


「ごめっ…違うの…っ…藤咲には無理なの……」


でもそれは逆効果でそう言うとムッとした表情を浮かべる藤咲。



ズキリと心が痛む。



「…なんだよ…『藤咲には』って…」


「だってっ…!!…私は……」





(言っちゃダメ。)





最後の警告





「私はっ……」





(ごめんなさい。)





「藤咲が好きなのっ…!!!」





「……は…?」



「っ…ずっとずっと藤咲が好きだった…!!」



「…ちょ…あま…なえ…?」



「私の好きな人は藤咲なんだよ…っ…」




藤咲が困っているなんてすぐにわかった。




でも、一度口にした想いを止めることなんて私にはできなかった……




時が止まったかのように私と藤咲の空間は静まり返った……



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