俺様ヤンキーに気に入られました。
「―――…ぃ………し…ぃ!!しぃ!!!」
誰かが呼んでる。
そう思って、パッと振り返った。
「祐っ!?」
そこに居たのは、あたしの大好きな人。
初恋の相手で初めての彼氏"だった"人。
あぁ、これは夢だ。
そう確信した。
「祐ッ!!」
それでも、もう一度会えたことが嬉しくて。
どうしょうもないこの気持ちを抑えることが出来なくて。
あたしは祐に抱きついた。
「祐、祐。会いたかっ……ッ!!」
「しぃ……。」
その言葉と共に祐はあたしを剥がした。
「ゆ、う………?」
「しぃ、ダメだよ。あのね、今日は言いたいことがあって。」
言いたいこと……?
「ねぇ、しぃ?しぃは好きな人いる?」
「祐だよ、祐が一番大好き。」
「俺じゃなくてさ。」
「祐だよ!!祐意外考えられない!!!」
そう言うと祐は困った様に微笑んだ。
「しぃ、もう俺を好きでいないで。しぃは笑って前を見て。他に好きだと思う人を見つけて。」
「何で!?祐が好きなんだよ!!!」
あぁ、目の前がボヤーとしてきた。
はっきりと祐のことが見えない。
『しぃは幸せになって。ずっとずっと笑ってて――――…』
そう言って、笑った気がした。
―――――――…
「祐ッ!!」
パッと目が覚めた。