俺様ヤンキーに気に入られました。





祐に心配かけないって決めたから。

前を向いて歩くって約束したから。


大丈夫、大丈夫。


パシッと頬っぺたを両手で叩いて、前を向いた。

「よしっ!!」

気合いを入れて、一人しんみりした空気を吹き飛ばすように声を出した。

制服着て、髪をセットして、学校の準備して、バタバタ家を出た。


「行って来まーす!」


誰もいない静かな部屋に、あたしの声が響いた。


20分くらいして着いたときにはすでに三時間目が終わるチャイムが鳴っていた。


教室に入ってすぐに麻美が駆け寄って来た。

「しぃ!!どうしたの、大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ。寝坊しただけ。」

そう言うと麻美はホッとした様に胸を撫で下ろした。

「昨日のことがショックなのかと…。」

「気にしてないよー。」

アハハ、と笑ってみせた。















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