俺様ヤンキーに気に入られました。
嫌い…いや、嫌いじゃない。
滝川君が何か言おうとしてたけど…今はそんなの関係ない!!
チラッと滝川君を見る。
何度見ても痛そう。
速く保健室行かなきゃ。
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グイグイ引っ張って行くこいつ。
チラチラこっちを見ては、顔を少し歪めてすぐに顔を反らす。
見てて飽きない。
保健室に着いた。
「ほら、入るよ!」
コンコンっとドアを叩いてから開く。
「失礼しまー…あれ?」
保健室の中には、誰もいなかった。
「え"、先生いないの……?」
「今日は午後から出張。」
そう言うと、元々でかい目をさらに大きくするこいつ。
本当、見てて飽きない(笑)
「じ、じゃあ、あたしがするよッ!!」
少し不安そうに言うこいつ。
…可愛い。
「お願いしまーす。」
好きな女からの手当て♪
嬉しくて顔がにやける。
「滝川君て……Mなの?」
「は?」
テキパキと器用に手当てしながら、真顔で言うこいつ。
何で?
「こんなに怪我してるのに笑うなんて…ドMだ……。」
「ちげぇよ、バカ。」
とんでもない勘違いをするこの鈍感娘に取りあえず否定しとく。
色んな噂はたてられたけど…ドMキャラは勘弁だ。
「そうだよねっ!滝川君がドMなんて…考えたくもない。」
「はい、手当て終わり!!痛くなかった?」
「おぉ、いつの間にか終わってる!スゲェ、全然痛くなかった!」
誉めると顔を赤くしながら、俯いた。
そのまま小さく「あり、がと…ぅ。」と呟いたのを、見逃さなかった。