俺様ヤンキーに気に入られました。



隣でめっちゃ不安そうな享。

「しぃもやっと気付いたんだね~。滝川君におめでとって言わなきゃ。」


ムカつくから、わざと言ってやった。

すると見るからに項垂れる享。


…なんでよ。

「なぁ、麻美?」

―ドキッ

「何よ?」

可愛げのないあたし。

本当、嫌になる。

どうしてもっと素直になれないのかな。

「しぃ…OK出すのかな?」

「多分ねー。見たでしょ、あのしぃを。帰ってきたらもっと上機嫌だよ、きっと。」

「だよなー。」

「ドンマーイ。」

「…何がだよ?」

「好きな子が親友に取られちゃったね。」

そう言いながら下駄箱から足を進める。


「え、ちょッ!!何で?何で知ってんの!!??」

「さぁ?何ででしょう?」


ずっとあんたを見てたからなんて言ってやんない。

「あんたが分かりやすいの~!」

あんたなんかを好きだなんて言ってやんない。

「ま、胸貸すくらいならしてあげてもいいけどね~!」


これからは素直になれるように頑張るよ………♪

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