センパイと美術室で…



「……そうだったんですか」



わたしも高校の時、彼氏がいた。
だけどそれ以上に、松田センパイのことが好きだった。



好きで好きで、たまらなかった。
―――その大好きだったセンパイが今、目の前にいる。



それだけでもう幸せだと思った。
あの時は、センパイが遠すぎて、わたしなんか足元にも及ばなかった。



「……松田センパイ」



「ん?」



「実はわたしも、好きなひとがいたんです」



「えっ?」



「たしかに彼氏がいたんですけど、それ以上に好きなひとがいたんです。好きで好きで、たまらなかったひとが」



「……それって」



「―――センパイのことですよ」



センパイとガッチリ目が合う。
……センパイのその瞳に、吸い込まれそう。



「―――実は俺も、双葉のことがずっと好きだった」



「えっ?……んっ」



わたしの唇は、センパイの唇によって塞がった。
唇に伝わる熱が、誰よりもじんわりと熱かった……。



«完結»



< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
表紙を見る
【完結】俺様吸血鬼(バンパイア)に恋しました。

総文字数/99,903

恋愛(ラブコメ)329ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop