文学彼氏
あたしの通う清南(せいなん)高校は、偏差値そこそこ、距離そこそこの至って普通の高校。
「あ、朔おはよー!」
「はよーっ」
まだ生徒が少ない教室なのに
もう友達は揃っていた。
ショートヘアーのまことに
ふんわりパーマの若葉。
私は大体この2人と
行動を共にしている。
「朔、三つ編み超可愛いーっ」
オシャレ好きの若葉がいち早く
あたしの髪型に気がつき近寄ってきた。
「うへへっ。
今日のテーマはね。森ガールっ子」
「森ガールって?」
意外と天然なのがまこと。
「森で狩りをする女子」
ちなみに若葉はイタズラ好き。
「違うでしょーが」
あたしツッコミつつリュックを机に置くと何故か周りを2人が囲んだ。
え、なに。
思わず身構える。