文学彼氏







あたしの通う清南(せいなん)高校は、偏差値そこそこ、距離そこそこの至って普通の高校。



「あ、朔おはよー!」


「はよーっ」



まだ生徒が少ない教室なのに

もう友達は揃っていた。


ショートヘアーのまことに

ふんわりパーマの若葉。


私は大体この2人と
行動を共にしている。



「朔、三つ編み超可愛いーっ」


オシャレ好きの若葉がいち早く
あたしの髪型に気がつき近寄ってきた。


「うへへっ。

今日のテーマはね。森ガールっ子」


「森ガールって?」


意外と天然なのがまこと。


「森で狩りをする女子」


ちなみに若葉はイタズラ好き。


「違うでしょーが」


あたしツッコミつつリュックを机に置くと何故か周りを2人が囲んだ。


え、なに。

思わず身構える。







< 15 / 78 >

この作品をシェア

pagetop