文学彼氏





「あたしも送ったよ」


「え、まことも?」


「うん。返事は

【どんだけ長いの】

と、ロマンの欠片もないけどね」


「なんて送ったの?」


「そこは秘密ー」



へー、みんなやってるんだあ。


ポケベルとかあたしたちの世代は経験したことないのに、こういう形で流行り出してるなんて知らなかった。



「ね、朔もやろうよー?」


「んー。でも瀬野くんにでしょ?」




瀬野くんにそういう理数的なメール送るとか喧嘩売ってるようなもんでしょ。



「じゃあ、いいよ
あたしたちで勝手に送るから」


「っちょ!」


「文面なににする?」


「うーん。ベタに
『好きやねん』とかどう」




なんで関西弁。







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