文学彼氏
あたしたちの出会いは中々平凡でした。
『きゃははっ、何それー』
『いやホントだって
笑いすぎだから!』
タヌキの置物が
印象的なお好み焼き屋さん。
隅っこの席でポツン、と取り残されてるのは…他でもない私です…。
友達の莉衣に(無理やり)引っ張り出されこんなところにやってきたけど今だに何が目的なのかよく分かってはいない。
『中学のときの先輩兼幼馴染とご飯食べに行くんだけど向こう二人でくるから、朔もおいでよ!』
って、言ってたけど…
目の前の席を見て、溜息を漏らす。
いないじゃん、もう一人。
私は話が違うと思いながらも
一人で説明書を読みながら具を混ぜる。
莉衣と、幼馴染の笠井くんは小中一緒なだけあってすごく仲がいい。
というか莉衣は
物凄く顔が広い気がする。