文学彼氏
小皿いっぱいお好み焼きを積み、モグモグ食べる。
食べれば食べるほどお好み焼きにハマってしまいそうだった。
『ところで瀬野くんって彼女いるの?』
「いないけど」
『えー。ホントに?
絶対学校でモテるでしょ』
桜坂校の制服を身にまとう瀬野さんは、あくまでも視線はもんじゃだ。
『うん、もうモテまくり。でもコイツ今受験生だからそれしか興味ねえんだよ』
するとジュースを一気飲みした
笠井くんがすかさず割って入る。
「聖も今年受験じゃん」
『俺はもういいんだよ。
来年頑張るわ』
『なっさけないわー。って、朔あんた口の周りソースついてる』
「ん゛ーっ」
ふと私を見た莉衣はおしぼりを掴むと、あたしの口をゴシゴシと乱暴に拭いた。
『なんかもう莉衣ちゃん
お母さんじゃんっ』
『やだよ朔が子供とか』