文学彼氏
これはあたしと瀬野くんが
付き合う前のお話。
よく分からなかった。
だって恋、したことないし。
だって、男の人って
何考えているか分からないし。
でもこの胸のときめきは
きっと、勘違いで済まされない。
「…横田さん?」
「あ、ごめんなさい。
ボーッとしてました」
今日は普通に図書館で勉強会。
瀬野さんは一応受験生だ。
でもN大合格率はかなり高いらしくこの時期にあたしのテスト勉強を見てくれていたのだ。
申し訳なく思いつつすごく助かった。
そして今はその帰宅途中。
お家まで送ってもらっている。