文学彼氏
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「ん゛〜…」
次に目を開けたとき
辺りは少し薄暗くなっていた。
うあ、少しどころかかなり寝てたかも。
慌てて起き上がると
毛布が肩からずれ落ちる。
瀬野くんかけてくれたんだ。
こういう何気ないことが嬉しい。
お礼を言おうと
瀬野くんを見上げると
彼もまた静かに寝息をたてて熟睡中。
読みかけなのか、開いたままの本が胸に置いてあった。
「(寝顔、可愛いなー)」
陶器のように綺麗な肌をジッと見つめていると、どこからか湧き上がってくる尿意に肩がブルリと震えた。
よいしょ。
お手洗いをお借りしようと
その場を立ち上がったとき。
「、」
ソレを見つけた。
それは二つに折りたたまれた白いルーズリーフ。なんだこれ。
テーブルの上にぽつん、と
置いてあるところがまた怪しい。