文学彼氏
う、っそ…。
「うええー…」
「うええーって…」
だってそんな、本当?
不安気に見据える。
それが感じ取れたのか、瀬野くんは申し訳なさそうに顔を曇らせる。
「ごめん。なんか…
色々不安にさせたよね」
「う、ううん…」
掴まれた手をキュッと優しく握られる。
伝う体温がたまらなく愛しかった。
「僕は勉強ばっかで、恋愛に人一倍疎いし愛し方もよく分からない。
でもこの募る想いは
きっと恋なんだと思います」
「、」
ぜ、全然予想してた告白と違う。
もっとシンプルに好き、とか付き合ってって言葉だと思ってた。
でも、ある意味
瀬野くんらしいと思った。
どんなところかって、『きっと恋だと思う』って言い切らないところ。