文学彼氏





玄関ですよ此処!

突然すぎて身をよじらせると

両足の間にスッと瀬野くんの

足が入り押さえ込まれる。



な、なんだその技っ。

エロい上に身動き取れん!



「ま、…なんで急にっ」

「なんでだろうね」

「っ…せ、瀬野くん…
本当にどうしたの……?」

「言っとくけど、嫉妬深いよ僕」



言いながらちゅ、と髪にキスを落とされる。


な、なんだこの人。

どこの星の王子だ。


髪に頬に首筋に

次々キスをお見舞いされる。


クラクラするよそういうの全部。リップ音が薄暗い玄関に響く。


どうして、大人って
こんなに官能的なんだろう。


あたしのような子供は、こんなことされたら恥ずかしくて顔すら上げられなくなるというのに。






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