文学彼氏
「ねえ」
「、」
こういうときの声は
いつも艶っぽくて
胸の鼓動に直接響く。
普段よりも少し低いその声に
ボーッとしたまま
何もかもを委ねていると
鎖骨にもキスをされた。
「もう我慢するのやめていい?」
「――――っ」
クラクラするのにその魅惑の先を見せて欲しくて、頷いてしまいそう。
どこまでも深く堕ちて
しまいたい衝動にかられる。
だけども残り少ない理性で
瀬野くんの口元を手の平で押さえた。
「こ……高校生のうちは、だめ、っ。あと、親に内緒にしてるから、罪悪感が……」
「…」
私ってほんと、空気読めなさすぎ。
ここまできといて結局寸止めで、瀬野くんいよいよ私のこと嫌いになっちゃうかも。