文学彼氏
中身については、なんだろ。
嬉しいような叱られたような…。
なんだこの曖昧な感情は。
と言ってもニヤける
口元は嘘をつかない。
あたしは何度も何度もそれを
読み返しては反省したり喜んだりした。
そんな私の後姿を
もうだいぶ前から目覚めている
瀬野くんが見てるなんて知らずに。
「(ふへへ)」
「(…。)」
少し照れてる君を
見つけられるまであと数十秒。
【瀬野くんと私】
(あ! 瀬野くんこれ読んだよ!)
(何それ、僕知らない)