文学彼氏
「余裕ないところを更に私が拒絶したらそれこそ終わりじゃんか…」
「だからだよ!
拒絶できなくなるまで自分を追い詰めるの!!」
うんんん?! なんかもうただ面白そうだから入れたいだけだよね絶対!
「あんたが試すのが一番良いんだけどね」
「それで瀬野くんに引かれたら元も子もないから絶対イヤ!」
「うん、言うと思った」
「って、あー!!」
妖艶に微笑んだ若葉は、ボールの側に近寄ると、その中に2滴液体を垂らした。
「これ3回目にしてようやく成功しそうだったのに!!」
「まあ所詮はトンキ。瀬野くんには多分効かないっしょ」
「効いたら??」
「それで上手くことが運んだら私に焼肉奢って」
なにその自信、どっからくるの?!
「じゃあねー」と手を振りながら
家庭科室を後にした若葉。
感謝を込めて作ったはずのチョコが、毒入りチョコに早変わり果ててしまった…。
【危険なバレンタイン・前篇】
(なにこれ)