【BL】空に咲く花




「俺は・・・っ。」



俺は、楓の顔を見ると言葉が詰まってうまく言い出せなかった。



伝えたい気持ちは本当に受け入れてもらえるのか・・・



不安もあるけど、それよりも俺の気持ちを伝えるのは今しかないと思った。





「楓、俺は」



もう一度楓の顔をパッと見ると意を決して言おうと思ったんだけど。



「新道さんが好きなんだよな・・・。よかったな、誘ってもらえて。」



「えっ・・・楓?」



違うんだけど・・・


明らかな誤解だよ。



「俺は、お前のこと」



「ああ、わかってる。友達としてしか見れない、だろ?俺の気持ちは伝えた。お前が引いてこれからは今までと同じようには過ごせないっていうんだったら潔く身を引くから。」



「楓、違くて。俺はね。」



でも、楓の大きな手で俺の並みほどにもない口はふさがれた。



「言うな。もう、この話は一切出すなよ。」


きっと、伝えられることなんて最初からできなかったんだ。
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