今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
普通にあいつは挨拶を返してくれた。
「あれっ?もしかして…デート~!?」
私が何も答えないうち、マユミは私達の間に座り、タバコを取り出した。
「じゃあ…邪魔しちゃ悪いかぁ?これ吸ったら行くからね!」
邪魔だと思うなら…そう思ってしまった。マユミのタバコはすぐに無くなった。
「じゃあ…私は消えますんで!」
タバコを消し、笑いながらマユミは言った。足元はまだフラついてる。
「SAE…送ってあげなよ。」
「…でも…。」
あいつにそう言われ…私は『でも』と言ってしまった…。まだ…何も…。
「僕は…大丈夫だから。」
「…わかった。ごめんね。」
私から誘った訳じゃないのに…謝るしかないよね。そんな事も知らず…マユミはひとりで笑ってる。
「ほら…行くよ!」
「どこに~?」
「あんたの家!」
まったく…この酔っ払いは!私はマユミの手を引っ張った。
「…気を付けてね。またメールする。」
「…うん。」
あいつはそう言って私達を見送ってくれた。私はあいつが見えなくなるまで…何度も振り返ってた。その度に…あいつは見ててくれた…。


(結局…言えなかった…。)
二人を見送ってから、僕はまだ立てないでいた。
< 101 / 214 >

この作品をシェア

pagetop