今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

もしかしたら、声だってかけなかったかも…。あの時のSAEがいたから、今のSAEも好きなんだ。寂しそうな瞳で…いつも冷たいSAE。いつもひとりで、でも何かを求めてる気がすると僕は思っていた。僕が…まだ何か出来るなら、今のうちに…大げさかもしれないけど、SAEが本当にSAEでいれる様に僕はありたいと思える様になっていた。一人じゃないってわかってもらえる様に…。
「あんたの考え…良くわからないよ…。」
そう言ってきたSAEの顔は困惑した顔だった…。初めてみたかもしれない…。
「ねぇ、あんたはいつ私とＨするの？」
「えっ？」
SAEの口から出たその言葉に…思考は一瞬飛んでしまった。
「…セックスの事？」
「うん。」
…当たり前の事を…僕は聞き返していた。
「…好きだけど…セックスはしないよ。」
SAEは困惑の中で真剣な顔をしていた。僕は深呼吸し、そう答えた。


「おかしいじゃん！普通なら…好きなら抱くよ！セックスしたくないの!?付き合ってどれくらい過ぎたと思ってんの!?」
私がそう言うと…あいつは困り果てたみたいだ。この空気に…今までの何かが私の中で弾けてしまったみたい。…セックスなんて別にしてもしなくても…私にとって『どうでもいい』事だけど…。こいつの居心地はいいけど、煮え切らない態度にムカついた。