今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
「…SAEを大切にしたいから。」
「!」
『太郎』の言った事に…私の中で最後に繋がっていた何かが…切れてしまった。 「バカじゃない!?何いつまでも純情ぶってんの!?私は…あんたが思ってる程…綺麗な体じゃないんだよ!」
思った事を全部言った。
「…。」
何かを言いたそう、だけど何も言わない。ムカつきが加速する。
「…他に女がいるんでしょ?だから私を…」
そこまで言いかけて…それ以上、言えなかった。言えなかったっていうか…言い過ぎたかもしれない。私は…自分に干渉されるのが嫌だった。だから、私からも相手に干渉しない。そのはずだったんだけど…言葉として出しかけたから…。
「そう…思ってたんだ。」
…泣いてこそないけど、あいつの目には涙が溢れていた。
「僕は…何て言われてもSAEを抱けない。ずっと…SAEの過去とかも気にしてなかったけど…、この先もそう思ってたけど…。…もういいよ。こんな僕じゃなくて…別れよう。」
心のどこかでは信じてた。信じなくていいって思ってても、私は信じていたかったのかもしれない。ただ、本当の理由を聞きたかっただけなのに…。
「勝手だよね。…あんたが私を好きになったんじゃない!?」
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