今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
た。仲が良い感じ…僕は、もし子供をもったらあんな感じになりたいと…少し嫉妬してしまった。僕に命の期限がなかったら…いつか誰かと結婚して子供が産まれて…あんな風になれたんだろうか?…僕は…生きているのに…そんな希望すらない…。いつの間にか…泣きながら僕は歩いていた…。

「ちょっと…大丈夫!?」
誰かが僕に声をかける。…体が重くなって…気が遠くなっていた…。僕は道にひざまずいていた…。
「…大丈夫です。」
ろくに礼も言わず…顔も見せず、僕は何事もなかった様に立ち上がり、また歩き出した。こんな顔…誰にも見られたくない…。
全然…何も変わらないはずだった…。少しだけ…体の具合が良くなかっただけのはずだった…。それが…明日が見えなくなっていた…。

「…ただいま。」
色々…と言っても、同じ事を繰り返し考えながら家に着いた。僕は…ここに着くまでに…これまで生きてきた中で一番だと思うくらい泣いたと思う。…でも、もう泣く事はないと思う…。
「おかえり!どうだった?」
玄関の奥から…亜紀が聞いてきた。亜紀は二つ年上で僕の姉だ。僕と同じで、亜紀(僕はそう呼んでいる)も定職につかず、バイトで生活している。…僕が言えた立場じゃないけど…
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