今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
困った姉だ。そんな困った姉だけど…小さな頃から何かと僕の面倒を見てくれていた。今日だって…亜紀が病院に行くように言わなかったら…きっと行ってなかった様な気がする。
「…ただの風邪だろうってさ。」
なんでそんな嘘を言ったのかはわからないけど…僕は亜紀の顔を見れず、部屋に行こうとした。
「ちょっと!ちゃんと説明しなっ!」
「うるさいな!…少し疲れたから寝るんだよ!」
僕は…亜紀の顔を見ないで強く言ってしまった。…きっと亜紀は…心配そうに僕を見ているんだろうな…。亜紀に…いや、誰にも…僕は心配や迷惑をかけたくなかった…。
「うっ…!」
部屋に入った時だった…泣かないと思っていたのに…また涙が流れ出してきた…。あんなに泣いたのに…さっき亜紀の顔を見なかった事が…この涙の理由なんだろうな…。僕は…閉まっていたカーテンを開けた。
「…!」
部屋の中に…夕陽が差し込む…。その眩しさに言葉が出なかった…。
(綺麗だな…。)
自然と…そう思えていた。いつもと変わらない夕陽のはずが…いつもより綺麗に見えた…。

告知されてから一夜が明け、太陽がまた昇った。新しい1日が…変わらずに訪れる…。
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