今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
「そうですけど…。」
この状況で…嘘をついてもばれるってとっさに判断した私は正直に答えた。…誰なの?
「やっぱり!初めまして!私は…太郎の姉の亜紀です。」
彼女は深々と私なんかに頭をさげてくれた。…なんか変な感じだ…。
「どうしてここに?」
私だって分かると、不安が一気に飛んだみたいに彼女…亜紀さんが笑顔で聞いてきた。…私が持ってない…すごく綺麗な笑顔で。…あいつって…お姉さんいたんだ…。やっぱり、私はあいつの事、何にも知らないんだ。…違う。本当は知ろうとしなかっただけ…深く知るのが怖かったのかもしれない。
「あいつが…ここに居るって聞いたから…。入院してるって思ってなかったけど…。」
「じゃあ…逢っていってよ?」
私がここにいる理由を聞いて…亜紀さんはそう言った…。簡単に言ってくれるよな…。それが出来ないからこうしているのに…。それに、あいつから何も聞いてないの?私の事知ってるなら…聞いてないのかな…。振られた女だって…。
「ほらっ!」
ぎこちない私の会話…答える間もなく、私は無理やり手を引かれ、部屋に入れられそうになってた。
「いいです!」
「ほらっ!」
本当にあいつの姉なのかって思うくらいに強引に。
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