今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

自分の足で、なんとか入るのを食い止めてたけど…いつの間にか亜紀さんに負けちゃってた…。ううん…本当は…足の力が抜けてた…。気付けば私はあいつの部屋に入っていた…。

（誰か…僕を見てる…。）
瞳を閉じても…気配で誰か居るって感じていた。亜紀？部屋を出て…入りづらくて外から見てるのか？体を起こして確認する事も出来たけど…そうした所で意味ないし…止めた。
「……！」
耳に入る声。何を騒いでいるんだ？亜紀らしくない…。そう考えてた時に…今度は大きな音でドアが開いた。さすがに僕も起き上がってその方向を向いた。

「あっ…。」
そこに入った途端に…起き上がったあいつと目が合い…また頭の中が真っ白になっていた。ただ、顔を見たかっただけだったのに…いろんな思いが駆け巡っては…今度は消えていった…。
「SAE!?」
か細いけど…それでも聞こえるよ…。あいつが私の事を呼んだ。…まさか、振った女がここまで来るなんて思わなかっただろうな…。私だって思ってないもの…。驚いた顔をしてる…。
「あっ…うん。」
良く見ると…前からだけど、もっと顔色が悪くなってる気がした。気のない返事をしながら（それしか出来なかっただけだけど…）私はずっとあいつの顔を見ていた。