今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

でも、そんなあいつを見てホッとした。『N』の曲を聴きながら…別れてから、今までの事が心の中で流れていた…。
（あっ…）
また…いつの間にか私は泣いてた。絶対見られたくなくて…あいつの布団に…顔を伏せてしまった…。
「どうしたの？」
「…何でもない。眠いだけ。」
私の側であいつの声が聞こえる。すぐ止まるって思ってた涙が…溢れ出してくる…。
「泣いてるの？」
「うるさい！」
それでも憎まれ口をたたく。…結局、私はこうなんだ。でも…あいつは伏せたままの私の髪の毛を…優しく撫でてくれた。…出逢う前の私だったら…こんな『行為』はムカついてた。でも…今は…この温もりが心地良い…。私は変わった？…うぅん…もしかしたら…ずっとこういうのを求めていたのかもしれない…。
「初めて…SAEに触れた様な気がする。」
あいつにそう言われた…。もしかしたら…本当にそうかもしれない…。
「…バカ。」
出るだけ涙を流したらすっきりした。きっと…瞳はまた赤くなってんだろうな。でも…気にしない。もっと撫でて欲しいけど…彼女じゃないし、そういう訳にもいかない。私は体を起こした。
「いまさら…遅いんだよ！」
あいつにそう言葉をぶつけたら…出し尽くした涙がまた溢れ出してきた。
「SAE…。」