今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
涙だけは見られたくなかったのに…ダメだった。そもそも…私はなんでこいつに逢いたかったんだろう?自分の中で…涙に対する言い訳みたいにそんな事を考えていた。
「僕は…SAEが好きなんだよ…。」
振ったくせに…こいつは何を言ってんだろ?それも怖い顔で…。でも…それを見て…また涙が溢れ出してしまった…。

「…何言ってんの?あんたさ…私を…。」
SAEはそこまで言い掛けて話を止めた。確かに、僕から彼女を遠ざけた…。本当に都合のいい話だって…僕自身わかる。でも、今…SAEを目の前にして…言わずにはいれなかった。
『彼女だってあんたの事好きかもしれないじゃん。』
いつか…亜紀に言われた事を思い返していた。ここで泣いてるSAE…僕の勝手な思い過ごしかもしれないけど…、きっとこの涙は嘘じゃない…。
「好きだって…別れなきゃならなかったんだ。こんな体だし…。ねぇ、SAE…もし、ましもだよ?僕が死んだら…悲しい?」
「…悲しい?なんで?あんたが死んでも…悲しいわけないじゃん!つまらない事言わないで!」
僕の言った事に…予想通りの反応…。『僕が死んだら…』これから訪れる…逃げられない事だけど…SAEはそんな事があるなんて思ってないだろう…。それでも…冷たい反応だけど…SAEの表情は真剣だった…。
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