今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
「あっはっはっ!SAE、ありがと…」
私が言ったあと…あいつはなぜか笑ってた。何がおかしいんだ?私はただ…思った事を言っただけなのに…。…でも少しだけ…ムキになって言ったかもしれない…。死ぬわけなんてないじゃん…全く。入院したからって弱気になりすぎなんだよ。…なんか…久し振りかもしれないな。誰かに対してムキになるなんて。…顔なんて泣き崩れてるし。
「SAE、かわいいよ。」
こんな顔の私にあいつに言われた。メイクだってボロボロで…みっともないのに…だ。冗談?でも…あいつの目は…そんな感じじゃない…。…何度目だろ?言われて…また顔が赤くなるのがわかる…。
「ねぇ…別れた理由って何?私を抱けないから?病気だから?」
私は…自分のその感情から逃げるみたいに…話題を変えていた…。
「…抱けないから…かな。」
本当は違うけど…、今日、ここにいるSAEを見て…余計に言えなくなってしまった。泣き崩れたSAEを見た時…、あの…雨の時と同じ様に…本当のSAEが見えた…気がする。そして、それがとても愛しく思えた…。そんな彼女を…僕は悲しませたくなかった…。
「嫌だよね…。こんな男…。」
更に僕はそう言った。もし…これで本当にSAEか去っていくなら…彼女を悲しませる事はなくなる…。そう思ったからだ。