今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
「別に…いいじゃん。」
「…えっ?」
その言葉に…一瞬…では理解出来なかった。
「だって…抱けないんだよ!」
僕は事態を呑み込み…それでも動揺していた。同じ事を繰り返し言う…それも強く…。
「別に…。変にそういう事考えてるよりいいんじゃない?あんたがそれでいいならさ。私は…いつ抱くのなんて言ったけど…。抱けない理由はあんたが言いたくなったらでいいしさ。私はやる為にあんたと付き合ったわけじゃないし…。」
嬉しかった…と、同じく、SAEに罪悪感があった。別れた理由は…僕が抱けなかったから…。でも…それは嘘だから…。
「…そんなに私は軽くないし…。まぁ…今日も合コン行ってたし言い訳にしか聞こえないかな…。」
ボソッと言ったSAEの顔は…一瞬沈んだ様に見えた。
「そんな事…ないよ。」
そんなのはわかってるつもりだし…、今日の事にしたって今、ここにSAEがいる。それだけで充分だった…。

今、ここで…別に彼女でもないのに、本当に悪いって思ってた。…それでもわかってくれてる。『軽くない』もう…それは嘘なんかじゃない…。それが…今、ここにいる理由なのかもしれない…。
「でも…いつかは抱かれてあげるから。」
「えっ…?それって…。」
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