今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

「…すいません。振られたのに…彼女でもなんでも…」
自分でもわかってた事だ…。そう思うと悲しくなる。振られたのは…私なのに…なんで…ここにいるんだろう？
「謝らなくていいのよ。…SAEちゃんは…太郎の事…好き？」
亜紀さんのその言葉に…答えを迷っていた。迷う必要なんてないのに。
「…わか…らない。」
一緒に居ると安心する。もっと一緒に居たいってそう思える…。素直になれれば簡単なのに…やっぱり私はそれを認められない…。…また、涙が流れていた。
「また…逢いに来てあげて…。」
亜紀さんは…自分のポケットからハンカチを出しながら…そう言ってくれた…。私なんかが…来ていいのかな？振られたんだよ…？それなのに…私は何も言えなかった…。そのまま…亜紀さんは私を見送ってくれた…。

（また…来るかな。）
もう…逢う事はない。逢ってはいけないって…そう思って別れたのに…、ここに…SAEが必要な僕がいた。もう…SAEがここに来ない方がいいって思っていても…考える事…それは、『また逢いたい』って事…。まだ…SAEが伏せてた場所に…温もりが残っていた…。 「ただいま。」
そんな余韻に浸ってた時、亜紀が戻ってきた。
「今度は早かったね…やっぱりさっき聞いてたろ!?」