今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
また…ぶり返すみたいに僕は言った。
「だから…その話は終わり!」
しつこく聞く僕に…亜紀は呆れたみたいだった。僕達の話を聞かれた…恥ずかしい… 。
「あのなぁ…」
「SAEちゃん…いい娘だね。」
話を折るみたいに…いや、SAEの名前が出た事で…もう何も言い返せなかった。
「きっと…あの娘も太郎の事好きだよ。」
「…そんな事ないよ。」
「じゃなかったら…ここまで来るかな…。」
亜紀の言う通りだけど…、でも…僕はこれまで…SAEにその言葉を言われた事がない…。そうだと信じたい…。でも怖い。もし…そうだとしても…SAEはもう…。
「…でも…。」
そう言い掛けて…僕は何も言えなかった…。彼女じゃないって…。
「わかってるよ…けど、きっとまたSAEちゃんは来てくれるよ。」
亜紀とSAE…何を話してたんだろう。亜紀の言った事…確信はない。でも…僕はそれを信じたかった…。

(私はあいつを…)
なんか…すごく疲れた気がする。今日だけで…泣いたり笑ったり…。でも…嫌な感じじゃない気がする。家に帰ってベッドに横たわりながら…あいつの事を考えていた。亜紀さんが言ってた…あいつを『好き』かどうかって事を…。そして、また…私の立場であいつに逢って良いのかって事を…。
(ん~…。)
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