今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

まだフラついてるあいつを…私はゆっくり戻そうとしたけど、あいつの足がもたついてうまくいかない…。
（誰か！）
私ひとりじゃどうしようもなかった。そんな時…部屋のドアが開いた。
「太郎！」
亜紀さんが来てくれた。助かった…。本当にそう思えた。私達を見るなり、あいつのもう片方の腕を掴み込んでいた。
「何やってんのよ！もう！」
「いや…ちょっとな。それより…どうしたの？バイトは？」
あいつは…亜紀さんに掴まられながら怒鳴られてた。それでもそんな事は気にしてないって感じで、そんな事を聞いてた。
「まったく…バイト前に洗濯物とか持ってきたの!?…あらっ!？」
…亜紀さんは今、私に気付いたみたいだった。
「…こんにちは。」
「こんにちは！ごめんね～…恥ずかしい所見せちゃって！」
そんな事言ってたけど…本当に恥ずかしかったんだろうな…。亜紀さんの顔は少し赤くなってた。
「いや、全然気にしてませんから。…というか、少し羨ましいです。」
私は…なぜかそんな事を言ってしまった。
「そう？」
私には…兄弟がいない。口に出した事はなかったけど…昔から憧れていた。この二人を見て…本当にそう思ったけど…何で私は…今まで表に出さずにいた本音を言ったんだろう？