今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

今までと何が違うのか？私にわかるのは、…あいつに『下心』がない（様な気がするだけだけど）。でも…それなのに、『優しさ』っていうのかな…居心地がいいんだ。今までの男には…無かったよな…。だから私も…つい、本音が出ちゃうのかな？
「よし！じゃあ…SAEちゃんがいる時は…任せていい？」
「おいっ！」
亜紀さんがそんな感じで言うと、あいつはそれを止めた。理由は…図々しいって思ったのかな…？
「…いいですよ。」
それでも、私はそう答えた。あいつを見てるのは…全然…苦でもないし、図々しいなんても思ってなかったし。
「じゃあ…そういう事で！お姉さんはバイト行ってきます！」
「何がそういう事だよ！」
納得いかなかったのかな？あいつはムキになってた。…本当におもしろい。
「じゃあね！SAEちゃん、お願いね。」
「はい。しっかり見ておきます。」
あいつは全く相手にされてなかった。亜紀さんはそう言い残して…部屋から出て行った。

「まったく…」
「嫌なの？」
「そんな事は…ないよ。」
また…SAEと二人になった。SAEがいる。嬉しいけど、正直…戸惑う。僕はただ、SAEの顔を見ていた。
「…何？」
「…何でもない。」
『しっかり見てる』ってSAEが言ってたけど、なんとなく逆になったみたいだ。でも…嫌な気はしない。