今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
それでも僕は…今以上を求めてはいけない。そして…まだ何もわかってない『何か』も諦めるしかないんだ…。

「いらっしゃいませ!」
僕の吐き気も治まり、店は開店した。昨日と同じ様に…僕は冷静になっていた。改めて店内を見ると…毎日同じ顔ぶれの客達、あそこの客は昨日も居たし一昨日も…。あっちは確か…週に…。別に数えてたわけじゃなく…自然にそんな事を考えていた。いつもなら…客の事なんて気にしないのに…。そんな時に…僕は彼女に気がついた…。そんな彼女がくるのは…いつも閉店間際の時間だった気がする…。

「なぁ…亜紀。」
「ん?」
部屋のベッドに寝ながら…僕は寝そべって本を読んでいる亜紀に聞いた。病気を知る前から…僕は…、体力が落ちた訳でもないと思うが…帰るとすぐベッドに横になっていた。
「どうしたの?」
そんな僕を見てか…、亜紀は暇があれば僕の部屋にきていた。
「あのさ…、いや、なんでもないや。」
言いかけた言葉を僕は呑んだ。もし…今、その言葉を出したら…『何か』を…諦めた『何か』を認めなくちゃならないと思ったからだ。僕が言いかけたのは…あの彼女の事…。
「何でもないって…言ってみな!」
そんな僕を察したんだろう。イタズラっぽく亜紀は言う。
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