今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
何か…何も私は考えてないのに…、どんどんあいつの唇に…私の唇が近づいていく…。
「…お~い…。」
小さく呼び掛けても…わかっていたけど…返事はなかった。このまま近付いたら…私が…私らしくない方法でキスをしてしまう…。そんなのは…嫌なハズなのに…。
(…いいかな…。)
そんな事を思ってた。風が…私達の間を吹き抜ける…。ゆっくりと…確実に…私達の距離は近付いていく…。今は…何も考えてないワケじゃなく…、認めたくないけど…これが私の意志なんだろうな…。
「…ん。」
「ガチャッ」
私が瞳を閉じた時…突然…ドアが開いた。
「!」
「点滴を交換しますね。」
あと少し…うぅん…少し触れたかもしれない…。私は一瞬で顔を離していた。看護士は何事もなかったみたいに点滴を交換し始めた。
(…見られたかな…?)
私は冷静に戻ってた。でも…危なかったっていうより…なんかがっかりって感じ…。ただ…『流れ』でキスしそうになっただけなのに…。
「じゃあ…新しい点滴にしましたので。何かありましたら、コール押して下さいね。」
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