今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
いつも強がってるSAEが今、見せるその寝顔は…初めて見たけど、なんだか優しい顔…。大人びていても…まだ、少し子供っぽいあどけなさが残ってる…。この寝顔を…僕は守りたかった…。
「…ん…」
小さな息をしたみたいな声と同時に…SAEはゆっくり頭を上げた。そして…周りをキョロキョロ見た後、僕を睨んでいた。
「…見たでしょ?」
「何を?」
少し不機嫌な顔で言うその意味が分からず、僕は首をかしげた。
「…寝てる所。」
「えっ!?」
すぐ、SAEの頬が赤く染まった。…見られたくなかったらしい。
「見てないよ!」
寝起きに目が合ってるのに…今更そんな事言っても…意味がないってわかってたのに、僕は慌てて装ってしまった。
「見たでしょ?」
また同じ事を言われた。これ以上、きっと何を言っても見苦しいだけだろうし…僕は黙って頷いた。 「もう!」
すると…更にSAEの頬が赤くなっていた。
「…可愛かったよ。SAEの寝顔!」
その反応が面白くて…僕は本当の事を茶化して言ってみた。
「バカ!」
少しムキになったみたいに言うSAE…。前までのSAEっぽくないけど…それでもSAEらしい。
「ごめん!」


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